ホームページをご覧の皆様こんにちは
農場だよりです。
お昼ごはんを食べた後に歯を磨きながらロスの切り花を見るとは無しに眺めていたところ、一匹のハナアブが飛んできました。
しきりに花にとまっては、卵を産み付けて満足気に去っていきました。
Paph. rothschildianumのスタミノードの細かい粒々はアブラムシに擬態しており、幼虫がアブラムシを食べて育つハナアブが産卵しに来たところで、うっかり足を滑らせてリップに落ちて、命からがら脱出するときに花粉を媒介していくことが知られています。
前々から、卵が付いていることには気が付いていましたが、実際に産卵しているシーンは初めて見ました。
赤い丸で囲ったところに卵が写ってます。
近縁の多花性原種Paph. stoneiにも擬態になっているもじゃもじゃがあり、見るとやっぱりハナアブの卵が産んであります。
蜜を貰えるわけでもなく騙されてタダ働きで花粉を運ばされるハナアブも、本来用意されてあるはずの餌が無く「母ちゃん...なんでこんなところに産んだんや...」と言いながら餓えるハナアブの子も、なんだか哀れです。
ランの進化の話題でよく例に上がるAngraecum sesquipedaleなんてまだ優しいほうです。
なにしろポリネーターのために蜜を分泌していますので。
騙して罠にはめて花粉を運ばせる、恐るべしパフィオの生存戦略、進化の妙です。
今日はヤフオクストアとウィークエンドオークションの出品日です。
皆様のご入札をお待ちしております。
それでは皆様また来週!
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横田昌嗣 (月曜日, 13 6月 2022 16:25)
沖縄に住んでいたとき、ベランダで咲いたロスの花の写真を撮っていたら、やはり何かの卵が産み付けられていることに気づいたことがあります。残念ながら、親の姿は見なかったので、何の仲間なのかはわかりませんでした。沖縄と山梨では昆虫の種類も違うかもしれませんし、その地その地でいろいろな種類が送粉に関われるのかもしれませんね。上記の花はすぐに切りましたので、子房が膨らんだかどうかは調べていません。
新入社員N澤 (火曜日, 14 6月 2022 19:12)
横田昌嗣様
コメントありがとうございます!
沖縄での情報ありがとうございます。
沖縄でもやっぱり虫は騙されてしまうのですね!
山梨や沖縄でもちゃんと虫が騙されるくらいなので、自生地のボルネオではきっともっとたくさんの虫が騙されて花粉を運ばされているかもしれませんね(^^)