ホームページをご覧の皆様こんにちは
農場だよりです。
昨日のお昼頃に開花が始まったバケツ蘭の今朝の様子です。
蕾のときには後生大事に唇弁を包んでいたセパルは早々に折りたたんで片付けられており、特徴的な唇弁が前面に押し出されています。
開花し始めのころよりもバケツも帽子も大きく膨らんでいます。
香りは揮発性が高い有機溶剤のような、香水を濃縮したような強い香りです。
盛んに粘液を分泌してバケツ状の唇弁に溜めています。
見た目:無色透明
状態:とろりとしている
味:ほのかな苦みの後、舌にピリピリとした刺激がくる
羽根に着けば飛びあがれず、脚に着けばツルツルすべり、舐めてしまえば痺れるのでしょうか。
バケツに落ちたポリネーターを絶対逃がさないという強い意志を感じさせます。
唇弁付根の突起から分泌された粘液がバケツに落ちる様子を動画にしました。
交配するため断面図を作って観察しました。
バケツ上部に張り出した帽子は逆毛が生えてざらざらとして、虫の足場になっています。
バケツの内側に向かうと急にツルツル素材に変わります。
しかもトロトロのローションを分泌しているので、落ちた虫は出口の階段をなんとか登るほかありません。
自家受粉を避けるため、一方通行のトンネルの中は花粉がめしべの後にくるようになっています。
花粉塊は大粒で、虫に張り付ける糊も大きく粘着力が強いです。
帽子の内側は鮮やかな黄色をしていました。
掴まり易い足場の空間になっており、強い香りがこもっているので、訪れた虫は夢中になることでしょう!
いったいどんな進化の過程を経てこんな造形が生まれたのか、不思議でなりません。
新入社員N澤は昔、NHKの自然番組でコリアンテスの特集の放送を見たことが、蘭って面白いんだなと興味を持ったきっかけでした。
生命の神秘、進化の妙、恐るべき生存戦略。
面白いですね!
それでは皆様また明日(^^)
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