栽培方法に関してお客様よりいただいたご質問と回答をまとめてみます。
基本的な栽培に関しては書籍が多数ございますので割愛しますが、ご参考になることがあれば幸いです。
A. 特に咲きにくいと感じたことはありませんが咲きにくいという人も確かにおられますね。
ポイントとしては、
・なるべく株分けをしないこと
未開花の実生でも複数の芽立ちになってから咲きたがる個体も多いです。
そういった株はそれぞれの芽が太る前に新芽を出してしまうので開花まで時間が掛かります。
・年間を通して日の出から日の入りまで、終日遮光した陽射しがあたるようにすること
短日のパフィオの中で夏至を過ぎてから一番早く花芽を作るため、日が短くなったことがすぐに分かるように、冬から夏至の前までなるべく長く日照時間を確保する必要があります。
日照時間の変化に敏感なので夏至を過ぎてから夜に照明など当たっていてはいけません。
また、花芽を作る時期が早いので、残暑が続くようだとうまく花芽を育てられないこともあるようです。冷房までする必要はありませんが夏の夜は打ち水するなどなるべく涼しく風通しよくしてやると完璧です。
A.温度は10℃~30℃くらいの範囲で栽培できます。
水を好むのでカリカリに乾かさないように毎日水やりしますが、着生植物なので根の通気性も大事です。
日照は胡蝶蘭ほどではありませんが暗めの環境を好みます。
夏の高温は短期間であれば昼間35℃ほどになっても枯れはしませんがなるべく涼しくしてあげてください。
気を付ける点としては株の向きがあります。
普通の植物にとって逆さまの向きがこの植物にとっては正しい向きになります。
上向きにしていると正しい向きである下向きになろうと無理をするので大きくならないように思います。
葉を垂らすだけでなく株元から根っこまで逆さまにすると良いです。
バスケットに植えたり、鉢底を抜いた鉢に植えて逆さまに吊るして栽培すると良く育ちます。
A. ぜひ沢山生き残らせてラベルが全然足りないぞとお申し付けください。
・暑すぎず寒すぎず、高い湿度がありながら風通しの良い環境
・すぐに乾くような水はけで乾かさない水管理
・植え付けはコンポストは硬いと根が伸びないので柔らかく、それでいて株がぐらつくとそれもまた根が止まるので程よく株を保持してあげる
だいたいコツはこんな感じです。
とにかくストレスを嫌います。
根の本数がかなり少ないので古い根までなるべく長く生かすように心がけると良いです。
農場では、
素焼きにバークで乾かさないようにする、もしくは素焼きに水苔で乾かさないようにするのが調子が良いです。
水苔の場合はグルグル巻くと根が水苔に引っかかって生育が止まることがあるので繊維を縦にするように意識して植えると良いです。
素焼きにバークはとにかくすぐ乾くので水やりが追いつかないときはビニール鉢にすぽっと入れても良いです。
株に直接風を当てないで、株の上を扇風機の風を通すことで湿度がありながら風通しの良い環境を作っています。
綺麗に咲いてくれるように願っています。
花芽が出てきたらスリップス(アザミウマ類)に狙われやすいのでお気をつけください。
念のため出品前に浸透移行性のアドマイヤー粒剤をコンポストに散布してあります。
開花前にまたオルトラン粒剤などをパラパラやってもいいかもしれません。
(農薬は法律上詳しくアドバイスできません)
A. 着生植物ですので風通しの良い環境を好みます。
冬の最低気温10℃以上を保ち、夏は熱帯夜を避け涼しくすると調子よいです。
日光は、夏は50%~75%遮光、それ以外の時期は30%~50%くらいの遮光した柔らかい日差しが長時間あたるのが理想です。
暗すぎると間延びしてカッコ悪いので焼けない程度に強い光で締めて作るのもいいと思います。
水は鉢土の表面が乾いたら水をたっぷりと与えてください。
乾きすぎや常にびちょびちょに濡れているのは良くないです。
コンポストは他のツツジ科と同じように酸性寄りのコンポストで水はけの良いものなら何でも良いです。
鉢植えが一番良く育てられますが、見た目重視でコルクに着ける場合は水苔を一緒に巻いて付けてやると水もちが良くなるので管理しやすいです。
肥料は大きくしたければ観葉植物用のものを規定量に与えてください。
A. お送りした株が今植わっているのはバークと日光砂(超硬質鹿沼)に腐葉土を混ぜたものになります。
ただ、こちらは試作で使っています。長持ちしないため現在は使用を停止しています。
ミックスコンポスト植えに関しては元々使っていた、バーク:軽石の3:1のコンポストに戻しています。
A. 最低気温15℃以上保ち日照時間を十分に確保できるのであれば施肥は通年で大丈夫です。
1000倍だと液肥の種類によっては濃すぎるかもしれません。
2500~5000倍が安全だと思います。
農場では週に一度ほど19-19-19もしくは15-30-15の濃い液肥を5000倍に希釈して与えています。
肥料の次の日の水はたっぷりと与えて流しています。
肥料や老廃物、木に付けた場合のアクやヤニの蓄積は大敵です。
A. 小さく見えますが元々小型ですので、すでにフラスコ出しに適した大きさになっています。
すぐに暑くならない秋がフラスコ出しの適期です。
植える時はフラスコから丁寧に出し、寒天を綺麗に洗います。
CP(コミュニティポット)といって1株ずつ水苔で根を巻いたものを数株ずつまとめて素焼き鉢に植える方法、もしくは小さい穴のセルトレイに一株ずつ植える方法がおすすめです。
水やりはCP植えが管理しやすく、後の鉢増しはセルトレイ植えのほうがかんたんです。
A. やや暑がるといったところです。
農場は日中35℃ほどになりますが夜はほとんど25℃以下になりますので熱帯夜は避けられています。
昼間暑い分には構いませんが、熱帯夜が続くと良くないかもしれません。
水は好きですのでコンポストが乾いたらすぐに与えています。
日はカトレアより少し暗いくらいのところが良いようです。
冬は最低気温15℃ほどのハウスで管理しています。
A. 普通のオンシジュームではなくパフィオペディラムと同じ環境で栽培しています。
遮光ネットは常に50%ほどのものを使っています。この時期は更にもう一枚ネットを増やして遮光率を75%ほどにしています。
温度は冬の最低気温15℃で栽培していますがもう少し下がっても大丈夫だと思います。
夏は最高気温35℃を超えることは滅多にありません。農場では熱帯夜にもなりませんが乾燥気味にしておけば暑さにも耐えるはずです。
コンポストが常に濡れているよりも一度乾いてから次の水を与えるほうが良いです。
小型なので長期間の乾燥には弱いです。乾いたらすぐ与えてください。
肥料は液体肥料を月に2~3回、通常よりも薄くして与えれば良いです。
A. 栽培を尋ねて頂いて良かったです。
危ないところでした。
通常のフラグミのように栽培するとたちまち腐って枯れてしまいます。
メキシコの厳しい環境で岩に着生しているため、水は乾いてからサッとやり、次の水もバークが完全に乾いてから行います。
長く湿った状態が続くとすぐに腐ってしまうので、素焼きにバーク植えなど一番乾きやすい組み合わせで植えるのが鉄則です。
暑さ寒さに強く、強い日差しにも耐えます。
遮光が強すぎると徒長して軟弱になるばかりでなく花も咲かなくなるので、ロスチャイルディアナムと同じくらい~カトレアより少し暗い程度の明るい環境で栽培します。焼けない程度に採光を心がけましょう。
ランナーは良く伸びますが、葉の生育はとてもゆっくりで新根が出るまでも時間がかかるため、切らずに繋げておくのが無難です。
早く切ってしまうと以降の生育が極端に悪くなります。
鉢から飛び出したランナーは支柱などを使って徐々に鉢内に収めて上げると育てやすいです。葉が数枚伸びだすまで新根は出ないので、焦らず折らないようにじっくり誘引するのがおすすめです。
生育がゆっくりな上に水が少ないので濃い肥料は良くありません。薄めの液肥を使うのがおすすめです。
簡潔にまとめると、カトレアを育てるつもりで栽培するとよくできます。
農場では他のパフィオと同じで最低温度15℃ほどで栽培していますが、神奈川県の厚木で夏は40℃、冬は無加温のハウスで何年も育っている株を知っています。
慣らせばかなり耐寒性と耐暑性を発揮します。
パフィオ愛好家よりもカトレア愛好家のお客様のほうがこの種はうまく栽培されることが多いです。
A. はい、基本的に液肥管理になります。乾かす必要があるため、表面に濃い肥料が乗っていると濃縮されて根が傷む可能性があります。
石灰質を混ぜるというより、与えた水がすぐに乾く必要があります。
プラ鉢植えで砂利が入っていないと乾きにくく、すぐに腐るため石灰質の石が必要と思われたのかもしれません。
鉢が素焼きであれば植え込み材料の材質はそれほど気にしません。
もちろん石灰石を混ぜて頂いても構いません。素焼き+バークでもなお水を保ち過ぎる環境であれば石を混ぜる必要があります。
葉が痩せない程度に乾かし気味に管理するのが安全ですが、この時期は成長期ですので長期の乾燥もよくありません。
乾いたらすぐにサッと水をかけると良いです。
春の最高温度は25℃、最低気温16℃の設定になっています。
夏は温度は自然のままです。最低気温25℃は超えません。
最高気温は暑い時は一時的に35℃ほどになることもあります。だいたい30℃くらいになります。
湿度はいつでも自然のままです。温室ですので夜間は100%近くまで湿度が上がります。春から秋は昼間に外の風が入るので湿度は多少下がります。
日は明るめを心掛けています。
A. なるべく小さめのサイズの鉢での栽培を心掛けて頂くと調子よく育ちます。
来春か来秋までそのままの大きさで構いません。
大きい鉢ですと根腐れしやすくなります。